3DPrinCar 行き先に応じた物品を推薦・提供する乗用車
概要
本稿で提案するのは,3Dプリンタ・カーナビと統合し,行き先に応じた物品推薦・提供を行う乗用車"3DPrinCar"である.
行き先が海なら海用品(サンダル・スコップなど)を推薦し,さらに,車内で3Dプリントするか,移動途中に店舗を経由して購入するかを手段として提供する.3Dプリントする場合は,到着時間に合わせて精度を調整し,最良の品質で到着までに造形完了する.店舗購入の場合は,カーナビの経由地点として自動設定する.
提案システムによる旅行体験の変化を調査分析すべく,本稿では旅行のケーススタディを8件実施した.
システム
ユーザがカーナビに行き先を設定すると,提案システムはその行き先に応じた物品を検索し,インタフェース上にカテゴリ一覧として表示する. 例えば,行き先が富士山であった場合は「山」カテゴリから「三脚」「フリスビー」「ゴミ箱」などが推薦される.インタフェース上には,推薦された物品の画像が表示され,具体的な物品を選択すると入手方法が表示される.
そしてユーザは,その物品を3Dプリントして到着までに入手するか,店舗を経由し購入するかを選択することができる. 例えば,店舗に立ち寄ることで,「安く」入手することもできるし,搭載された3Dプリンタを使用して「楽」に入手することもできる.
このような選択肢ごとのメリットは,インタフェース上に「安」,「早」,「楽」というアイコンで表示される.3Dプリントする場合は,造形精度や造形時間,フィラメントの使用量などを調整した複数の選択肢を提供し,ユーザのニーズに合わせた物品の提供が可能である.